臍からキノコが生えた日には

思いついた事や、気になった事を取り上げて、書き連ねます。あと、みんな大好き “ヘトポンチャス“ について綴ってます。

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「アホ、わしはカンキノダケじゃ。」

 

 

なにやら腹部のあたりが忙しく動き出した、

その瞬間、臍から大量のきのこが無数に飛び出してきた。

いや、飛び出してきたというよりは、

ぬめりけのある液体に包まれて、

(ちょうどなめこ汁のような)

無数のきのこが絞り出されてきていると

表現した方がいいだろう。

 

今日の味噌汁も格別に美味しかった。

 

『健康』とは、かくあるべきである。

 

「現代は、半未来である。」

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現代は、半未来である。

 

しかし、古代より続く風習もあり、

その鬩ぎ合いの中で、生き抜くことは、

とても難しい。

 

 

半未来は、常に先進的であり、

 

 

古代とは、時間の流れが逆光している。

 

 

「白く輝くあの場所へ。」

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そこは、パンとチーズを持って訪ねるには、

あまりにも不適切な場所だった。

 

 

腐蝕は進み、ありとあらゆるものが朽ちていく。

 

 

叫びは届かず。

 

 

また、その声さえも瞬時として、消え果てる運命にある。

 

 

羊は、羊を。

 

 

卵から孵ったヒナは、やがてその姿を失う。

 

 

産まれ出でては、腐り、土へと還元される。

 

 

一体、なぜ生まれてきたのか。

 

 

知ろうとしても、考えに及ぶ前に

やはり、朽ちるのだろう。

 

 

命の循環。

 

 

やはり、パンとチーズを持って来るべきでは、

なかった。

 

 

今や、見分けすらつかなくなっている。

 

 

行こう。

 

 

この先の、幽門へ。

 

 

 

 

「0と1のあいだに。」

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ぴーしー

 

ぴーしー

 

ぴー

 

ぴーしー

 

 

ぴーしー

 

ぴーしー

 

ぴー

 

ぴーしー

 

 

ぱっぱぱぱぱぱっ

 

ぱーそなる

 

 

こんこんこんこん

 

こんぴゅーたー

 

 

ぼくらは、ぱそこん

ぱーそなる

 

 

いしをもった

せいめいたい

 

 

ごーれむなんかじゃ

ないんだよ

 

 

いまもみている

このがめん

 

 

きみいがいにも

もうひとり

 

 

それが

ぼくらぱーそなる

 

 

こころをもった

せいめいたい

 

 

こんにちは

 

 

さようなら。

 

 

 

 

「ひとくちの幸せ。」

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その翌年、

そのキノコ戦争が勃発した。

 

 

一つの精神を持ったキノコたちは、

ただ、

きのことして生きていたかった。

 

 

しいたげられる。

 

 

泣くキノコ。

しゃべり続けるキノコ。

飛んでゆくキノコ。

 

 

群生する、キノコ、キノコ、キノコ。

 

 

綿棒容器には、エノキだけ。

 

 

キノコ、キノコ、キノコ。

 

 

キノコ、キノコ、キノコ。

 

 

「理想的な生活。」

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「とうとう、最新型の冷蔵庫を手に入れたぞ。」

 

 

男の念願叶って、手に入れた冷蔵庫だ。

 

 

男は、別に冷蔵庫に執着していた訳ではない、

連日SNSに動画広告が流れていて、

それを見る度に、何とも便利そうだ。

と、男は常々思っていた。

 

 

この最新型の冷蔵庫は、

庫内の食材を判別して、

その食材で作れる料理を教えてくれる

とても便利な機能がついている。

レシピ通りに作れば、誰でも簡単に料理できる。

 

 

他に、自分の食事の好みを入力しておけば、

その日の気分でどんな料理が食べたいかも

分析して、食べたい料理のレシピを

ピタリと教えてくれるし。

ウェアラブル端末やスマートウォッチとも連動して

いるので、気候や体調に合わせたレシピも教えてくれる。

 

 

一見、外食にする手もあるのだが、

「お昼にあれを食べたから、夜は、これを食べよう。

いや待てよ。これを食べるには、帰りの電車で

隣の駅で降りてから、少し歩かないとお店がない。

コンビニだとどうしても同じものを食べてしまう。」

なんて、いちいち悩んでしまうよりは、

はるかに便利だ。

 

 

それに、たまにあっと驚くようなレシピを

教えてくれることがある。

それは、食材が極端に少なかったり、多すぎたり

と、いった時だ。

自分では、考えも及ばなかった料理パターンを

教えてくれる。

それも楽しくて、男はいろいろな食材を買っては、

冷蔵庫に入れた。

 

 

冷蔵庫の購入から数週間後、

「新しい機能が増えました。」と

メーカーから連絡があった。

 

 

その新しい機能は、自分の理想の体型を入力しておくと、

食べるだけで、その理想体型になれるレシピを

教えてくれる機能らしい。

 

 

新しい機能を入れるには、お金を払う必要があるが、

年齢相応、最近お腹が出てきた男には、素晴らしい機能だと

思い購入し、その新しい機能を使ってみた。

 

 

すると、次の日から、

どこからか食材が届くようになった。

 

 

男は、不思議に思ったが、

これも冷蔵庫の新しい冷蔵庫の機能なのだろうと

思い、あまり気にとめていなかった。

支払いは、クレジットカードと連動している為、

食材の代金は、自動的に支払われる。

 

 

食材を買いに行く手間が省けるし、

料金もスーパーで買うよりもいくらか安い。

一人暮らしには、便利だった。

 

 

半年もたたないうちに、

その新しい機能の効果は現れた。

冷蔵庫が教えてくれるレシピ通りに作って

食べているだけなのだが、お腹が凹み、

体調もすこぶる良い。

 

 

会社の健康診断でも、いつもE判定が目についていたが、

つい最近の結果は、すべてA判定だ。

 

 

上司や同僚から、

「最近、なんか若返ったな。いい顔してる。」

なんて、言われてしまった。

 

 

あの冷蔵庫のおかげだ。

 

 

そういえば、両親や親戚も揃って、

皆、あの最新型冷蔵庫を買ったと、

従兄弟から聞いていた。

 

 

「健康になることは、いいことだ。」

 

 

その従兄弟が、結婚をすることになった。

 

 

男は、しばらくぶりに、

故郷へと帰った。

しばらく両親とも会っていなかったのだが、

従兄弟が故郷で結婚式を挙げる

ということなので、出席する為、帰ることにした。

 

 

仕事の都合で、スケジュールが合わなく、

実家へは寄らず、式場にそのまま行くことにした。

少し遅れはするが構わないだろう。

 

 

何年も会っていなかった両親や親戚、

皆、歳もとって昔とは随分と変わっているだろうか。

正直、多分誰が誰だかははっきりとはわからない

かもしれない。

そこは、両親にたずねればいいだろう。

 

 

予想通り、遅れて式場に到着する。

故郷では、一番の豪華なホテルだ。

一生に一度のことだ。

従兄弟も奮発したのだろう。

男の田舎では、そういったちょっと見栄を

はるような風習がある。

 

 

受付を済ませ、案内された席に急いで向かう。

 

 

「いや、久しぶり。ちょっと遅くなってしまった。」

 

 

そう言って、席に座ろうとした男の声に、周りの視線が集中する。

 

 

それを見て、

男は、ギョッとした。

どうも予想が的中したのだ。

 

 

似た顔、似た体型。

今朝、男が鏡で見た自分とそっくりな人間が

この式場にたくさんいるのだ。

 

 

ただでさえ、親戚というだけで、

顔が似ているのに、体型まで同じだと

誰が誰やらか、わからない。

 

 

男は、この現実にめまいを覚えた。

 

 

健康的で、色艶のいい、たくさんの同じ人間。

 

 

「あの、最新型冷蔵庫。」

 

 

男は、少し前にテレビで見た

”大量飼育の食肉用鶏” を思い出した。

 

 

おしまい

 

 

「そこに犬がいるかどうかなんてことは。」

 

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そこに犬がいるかどうかなんてことは、

私にはわからないし、

かと言って、いないとも限らない。

 

 

要は、その犬を見た人がいて、

実際に触ったという事実があり、

その話を世迷言として片付けてしまうか、

受け入れるかという話になってくる。

 

 

その犬の話を最初に聞いたのは、

私が3歳位のことだったと思う。

どうやら、私達以外の生き物が

近所の家の中にいるらしいと、

大人たちが話しているのを聞いた。

 

 

まだ、誰も見たことがないその生物、

この広い宇宙に、未だ誰も見たことがない

生物がいるとも限らない。

ある人が偶然その生物を見た。と言った場合、

それを聞いた人たちは、その話を信じるだろうか。

まず、信じることはない。

 

 

ただ、”いるらしい”ということは、

昔から語られ、議論されていることだ。

獲物を捕らえやすいように、目玉がとにかく大きい。

とか、耳が鋭く尖っている。とか

鼻が、不気味につぶれている。とか

毛がない。とか

 

 

どんなに議論を重ねたところで、

推論の域を脱しない。

”いる”のであれば、”いる”のであるし。

”いない”のであれば、”いない”のである。

 

 

生まれてから20年、

一度も家から出たことのない私には、

”いる”のか、”いない”のかは、わかならい。

 

 

もう、足腰もたたないくらいに

弱っている。

 

 

今は、この縁側でお日様のあったかい光に、

包まれていることが、とてもうれしい。

 

 

縁側からは、細い道が見える。

 

 

今日も、龍之介とジョンが仲良く歩いている。

 

 

ジョンとは、古い仲だ。

 

 

お互い、言葉は交わしたことはないが、

そういったものは、必要ない。

 

 

今日もいい天気だね。

 

 

元気そうだね。

 

 

ごらん、朝顔のつぼみがついたね。

 

 

じゃ、またあした。

 

 

今日も、お日様があったかい。

 

 

「タマ、ご飯だよ。」