臍からキノコが生えた日には

例えば人間、川に落ちればカエルの子。

二代目の256GB

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はるか昔のことじゃった。

 

山におじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていたそうな

 

今日もおじいさんは山へ芝刈りに

 

おばあさんは川に洗濯に行きました。

 

おばあさんがこの一週間に溜まりに溜まった洗濯を

 

川沿いに最近オープンしたというコインランドリー

 

『リバーサイド』の洗濯機に放り込み、

 

日本の政治について考えていると、

 

川上から大きな桃がドンブラコドンブラコと流れてきました。

 

おばあさんは、これにはビックリ仰天。

 

川が汚染されていることは、ニュース番組で度々取り上げられていたので、

 

その影響で、肥大化した桃が流れてきたことを直感しました。

 

桃は、ちょうど先日の電磁波の影響で制御不能になり川に転落した自動運転車の残骸に

 

引っかかった為、おばあさんはいそしんでその桃を家まで持って帰ることが出来ました。

 

もちろん、乾燥機から取り出した乾きたての洗濯物を持って。

 

おばあさんが家に着くと、ちょうどおじいさんも山から帰ってきました。

 

おばあさんは、桃をおじいさんに見せ、事の経緯を詳しく説明しました。

 

おじいさんは言いました。

 

「コミュニケーション。」

 

おばあさんは、軽く頷くと、桃を丁寧に切り出しました。

 

あたりは、桃の甘い匂いで満たされました。

 

すると、どうでしょう。

 

中から、甘い香りとともに元気な男の子が出てきたではありませんか。

 

おじいさんと、おばあさんはこれにはビックリ。

 

急いでお湯を沸かし、体をゆっくり丁寧に洗ってあげました。

 

その時、二人は気付いてしまったのです。

 

男の子の後頭部に”256GB”と桃のマークが記されている事に。

 

男の子は目を開け、ゆっくりとした口調でこう言いました。

 

 

『今だけ、お得!機種変更はお早めに。

 

 

『そういえば、去年も、たしか。』

 二人は、同時に唾をゴクンと飲み込み、

そっと振り向きます。

 

その部屋の片隅には、”256GB”と桃のマークが記された、、、

 

 

終わり