仙人と小僧の話 〜episode1〜
小僧さんが、仙人さまに何かたずねています。
仙人さま、
鼻の穴は、ふたつあるけれど、
お尻の穴は、なんでひとつしかないの?
そうじゃな。
だったら、お腹に聞くのが良かろう。
もうひとつの穴が見つかるじゃろて。
はい、それでは、みなさんごいっしょに、
せーの!!
『 へ~、そーなんだ! 』
END
月を太陽の光に透かしてみたら
キミは思った。
外の世界は、どんなだろう。
広い世界がひろがっているのだろうか。
ここは、くらい。
だけど、とてもあたたかい。
気持ちのいいところだ。
このままでは、何もできない。
だけど、少しずつ成長している。
なんでだろう。
ドキドキする。
心臓の音。
トクンドクン。
いくつも音がする。
ひとつは、とても大きな温かい音。
羽が生えた。
外から声が聞こえる。
こんにちは。
もう、殻から出ておいで。
陽の光。
みんなが、待っている。
羽ばたいていけるまでは、
・・・
まだ、あともう少し。
二代目の256GB
はるか昔のことじゃった。
山におじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていたそうな
今日もおじいさんは山へ芝刈りに
おばあさんは川に洗濯に行きました。
おばあさんがこの一週間に溜まりに溜まった洗濯を
川沿いに最近オープンしたというコインランドリー
『リバーサイド』の洗濯機に放り込み、
日本の政治について考えていると、
川上から大きな桃がドンブラコドンブラコと流れてきました。
おばあさんは、これにはビックリ仰天。
川が汚染されていることは、ニュース番組で度々取り上げられていたので、
その影響で、肥大化した桃が流れてきたことを直感しました。
桃は、ちょうど先日の電磁波の影響で制御不能になり川に転落した自動運転車の残骸に
引っかかった為、おばあさんはいそしんでその桃を家まで持って帰ることが出来ました。
もちろん、乾燥機から取り出した乾きたての洗濯物を持って。
おばあさんが家に着くと、ちょうどおじいさんも山から帰ってきました。
おばあさんは、桃をおじいさんに見せ、事の経緯を詳しく説明しました。
おじいさんは言いました。
「コミュニケーション。」
おばあさんは、軽く頷くと、桃を丁寧に切り出しました。
あたりは、桃の甘い匂いで満たされました。
すると、どうでしょう。
中から、甘い香りとともに元気な男の子が出てきたではありませんか。
おじいさんと、おばあさんはこれにはビックリ。
急いでお湯を沸かし、体をゆっくり丁寧に洗ってあげました。
その時、二人は気付いてしまったのです。
男の子の後頭部に”256GB”と桃のマークが記されている事に。
男の子は目を開け、ゆっくりとした口調でこう言いました。
『今だけ、お得!機種変更はお早めに。』
『そういえば、去年も、たしか。』
二人は、同時に唾をゴクンと飲み込み、
そっと振り向きます。
その部屋の片隅には、”256GB”と桃のマークが記された、、、
終わり
「現代は、半未来である。」
現代は、半未来である。
しかし、古代より続く風習もあり、
その鬩ぎ合いの中で、生き抜くことは、
とても難しい。
半未来は、常に先進的であり、
古代とは、時間の流れが逆光している。
「白く輝くあの場所へ。」
そこは、パンとチーズを持って訪ねるには、
あまりにも不適切な場所だった。
腐蝕は進み、ありとあらゆるものが朽ちていく。
叫びは届かず。
また、その声さえも瞬時として、消え果てる運命にある。
羊は、羊を。
卵から孵ったヒナは、やがてその姿を失う。
産まれ出でては、腐り、土へと還元される。
一体、なぜ生まれてきたのか。
知ろうとしても、考えに及ぶ前に
やはり、朽ちるのだろう。
命の循環。
やはり、パンとチーズを持って来るべきでは、
なかった。
今や、見分けすらつかなくなっている。
行こう。
この先の、幽門へ。
「0と1のあいだに。」
ぴーしー
ぴーしー
ぴー
ぴーしー
ぴーしー
ぴーしー
ぴー
ぴーしー
ぱっぱぱぱぱぱっ
ぱーそなる
こんこんこんこん
こんぴゅーたー
ぼくらは、ぱそこん
ぱーそなる
いしをもった
せいめいたい
ごーれむなんかじゃ
ないんだよ
いまもみている
このがめん
きみいがいにも
もうひとり
それが
ぼくらぱーそなる
こころをもった
せいめいたい
こんにちは
さようなら。