「白く輝くあの場所へ。」
そこは、パンとチーズを持って訪ねるには、
あまりにも不適切な場所だった。
腐蝕は進み、ありとあらゆるものが朽ちていく。
叫びは届かず。
また、その声さえも瞬時として、消え果てる運命にある。
羊は、羊を。
卵から孵ったヒナは、やがてその姿を失う。
産まれ出でては、腐り、土へと還元される。
一体、なぜ生まれてきたのか。
知ろうとしても、考えに及ぶ前に
やはり、朽ちるのだろう。
命の循環。
やはり、パンとチーズを持って来るべきでは、
なかった。
今や、見分けすらつかなくなっている。
行こう。
この先の、幽門へ。