臍からキノコが生えた日には

例えば人間、川に落ちればカエルの子。

「そこに犬がいるかどうかなんてことは。」

 

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そこに犬がいるかどうかなんてことは、

私にはわからないし、

かと言って、いないとも限らない。

 

 

要は、その犬を見た人がいて、

実際に触ったという事実があり、

その話を世迷言として片付けてしまうか、

受け入れるかという話になってくる。

 

 

その犬の話を最初に聞いたのは、

私が3歳位のことだったと思う。

どうやら、私達以外の生き物が

近所の家の中にいるらしいと、

大人たちが話しているのを聞いた。

 

 

まだ、誰も見たことがないその生物、

この広い宇宙に、未だ誰も見たことがない

生物がいるとも限らない。

ある人が偶然その生物を見た。と言った場合、

それを聞いた人たちは、その話を信じるだろうか。

まず、信じることはない。

 

 

ただ、”いるらしい”ということは、

昔から語られ、議論されていることだ。

獲物を捕らえやすいように、目玉がとにかく大きい。

とか、耳が鋭く尖っている。とか

鼻が、不気味につぶれている。とか

毛がない。とか

 

 

どんなに議論を重ねたところで、

推論の域を脱しない。

”いる”のであれば、”いる”のであるし。

”いない”のであれば、”いない”のである。

 

 

生まれてから20年、

一度も家から出たことのない私には、

”いる”のか、”いない”のかは、わかならい。

 

 

もう、足腰もたたないくらいに

弱っている。

 

 

今は、この縁側でお日様のあったかい光に、

包まれていることが、とてもうれしい。

 

 

縁側からは、細い道が見える。

 

 

今日も、龍之介とジョンが仲良く歩いている。

 

 

ジョンとは、古い仲だ。

 

 

お互い、言葉は交わしたことはないが、

そういったものは、必要ない。

 

 

今日もいい天気だね。

 

 

元気そうだね。

 

 

ごらん、朝顔のつぼみがついたね。

 

 

じゃ、またあした。

 

 

今日も、お日様があったかい。

 

 

「タマ、ご飯だよ。」